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恋してキスして抱きしめて

第5章 いきなり、任務終了?

彼女は目線を落とすと、悲しい表情をして続ける。



「1年のうちに数回だけ、ふら~っと帰ってきてくれるんですけど。
心配だからあまり遠くに行かないでってお願いしても、聞いてくれなくて……」

「…………」



……それは、夏輝が君と距離を置きたくてって理由だとは思わないのかね。


アイスコーヒーを飲みながら、どこから話を繋げようか考えていたけど。


頭の中で次の言葉を選んでいた俺に向かって、千夏はふっと微笑んだ。



「でも、今ではもう慣れちゃいました♡」

「……へ?」

「お兄ちゃん、昔から何考えてるか分からないし。
お兄ちゃんが楽しいなら、それでいいかなって♪」



………ん?

なんか随分サッパリしてるな。

しかも、何考えてるか分からないって、父親と俺と同じこと言ってるし!



「……ちーちゃん。
夏輝が家に居て欲しいと思わねーの?」

「う~ん、そりゃ家族なので居てくれたほうが嬉しいですけど……」

「け、けど?」

「海外の写真とかお土産とか、いつも楽しみだから。
お兄ちゃんが旅人っていうのも、悪くないなあって思います♡」

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