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恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

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「……そうか、やはり千夏は夏輝のことを……」



3連休を明日に控えた、金曜日。


前回とは違い、軽い足取りで俺は24Fの常務の部屋に来た。


がっくりと肩を落とした常務に向けて、ドンと胸を張る。



「ご安心ください、常務。
千夏さんが楽しい恋愛に進めるよう、僕が出来る限りのアドバイスをいたします」

「……出来るのかね……?」

「お任せください。
ただ、それに伴い今後の休日、お嬢さんをお借りしたいのですが」



兄を好きだという事実を再確認して、相当ショックなんだろう。


常務は俺の手を取り、すがるような目をして大きく頷いた。



「構わん。
いつどのように連れ出してもいいから、とにかく夏輝の事を忘れさせてやってほしい」

「かしこまりました」

「任務するにあたって金が必要なら言ってくれ。
くれぐれも、私のことは千夏に内緒でな!」

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