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恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

「よっゆ~~!♡」(余裕)



スキップするほどの軽やかさで、俺はエレベーターを降りた。


……面倒だから、常務には本当の事は隠し、『兄のことが好き』ってままにしておいた。


でも実際は、夏輝への恋心は無いわけで


要はあの妹に、男に対する免疫力をつけて、恋愛するキッカケを作ってやればいいだけだ。



なんか出来そうな気がする~~♪


これで俺の会社での地位は安定するし?

たっぷりな褒美も貰えるわけだし?

休日の暇つぶしにもなるわけだし?


一石三鳥じゃ~~ん♪




「……ユーリさん。
いつにも増してすっごくご機嫌ですね」



夜の8時。


書類や会社携帯をカバンにしまいながら、帰る準備をしていると


制服から私服に着替えて、もう一度デスクに戻ってきた舞ちゃんが、俺をじっと見つめてきた。



「お、分っかる~?」

「はい、とても楽しそうです」

「いやね、常務からの特別任務が、案外上手くいきそうでさぁ♪」

「それだけですか?」

「え?」

「任務だけじゃないんじゃないですか?」



ん? どーいう意味??


任務内容を知らない舞ちゃんの、発言の意図が分からず


俺は彼女の方へ顔を向けた。

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