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恋してキスして抱きしめて

第2章 待て、なぜ俺に頼む?

「そうですけど~、お宅は?」

『俺だよ、俺』

「オレオレ詐欺~?」

『アホ。
まぁ、何年ぶりって電話だし忘れて当然かもな』



そう言って笑った声を聞いて、なんとなく記憶が蘇ってくる。


そうだ、この低い声は確か………



「夏輝(なつき)か!」

『ビンゴー』



おお、マジで夏輝だ!


知らない番号で電話してきた相手の正体が、学生時代の友人と分かり


しかもさっきこいつが言ったように、会話をするのは数年ぶりだから、俺は一気に気分が上がった。



『友達1000人いるユーリに覚えてもらってたとは、光栄だな』

「ボケ、そんないねーよ。
つーか携帯変えたのか?」

『ユーリ、今夜付き合え』



俺の質問を無視して、夏輝は唐突に話題を変えた。



『俺、明日からまた日本出ちまうからさ』

「なにお前、まだ海外に……」

『ユーリ様に相談があるんだよ』

「相談?」

『恋愛相談』



はぁ?


ことごとく人の言葉を遮りやがって、何のつもりだこいつ。


電話の向こうで、夏輝はもう一度笑った。



『恋愛教育係、やってみない?』

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