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恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

咲いては消える儚い光。


美しく咲き誇るのは、ほんの一瞬だけだ。




「……ユーリさん……」




急にそんなことを言い出した俺を、千夏はじっと見つめて


少しだけ沈黙してから、静かに口を開く。




「……ユーリさんも……

感動……したんですか………?」


「…………」




別に正直に答えなくたってよかったのに


千夏の真っ直ぐな瞳に吸いこまれそうで


俺は思わず目を逸らした。




「俺は……

その時の花火がどんなだったか、全然覚えていないんだ」


「…………!」


「……彼女の横顔ばかり、見てたから」

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