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恋してキスして抱きしめて

第7章 花火マジック

「……あの、ユーリさん……」

「ん?」

「ユーリさんは、何のお仕事をされてるんですか?」



花火が始まる前に、土日休みって聞いただけだった。


お兄ちゃんからは、大学時代のお話しか聞いたことがないから


今現在のユーリさんのことは、何も分からない。


って、初対面だから当たり前だけど……



「俺はね~営業職だよ」

「営業?」

「そそ、ふつ~のサラリーマン」

「じゃあ、普段はスーツを着てるんですか?」

「そうよ~ん」



……お兄ちゃんがあんな感じだから、普通の27歳ってどんな感じなのか分からないけど。


3日前に大学で声をかけられたとき、同じ学生だと思ったくらいだから


ユーリさんがサラリーマンって、想像ができないなぁ。



「ちーちゃん、今日家の人になんて言って出てきたの?」

「あ……友達と花火を見に行くって……」

「ふ~ん」

「祖父母にも父にも、あまり詳しく聞かれないんです。
普段からそんなに干渉されないので……」

「……そうかねぇ?」



煙草を咥えたまま、ユーリさんはなぜか1人でニコニコしている。


……本当に、横顔が綺麗……


あたしも童顔って言われるけど、ユーリさんの顔はなんだか色気を感じるからすごい。


目が……離せなくなっちゃう……

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