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恋してキスして抱きしめて

第7章 花火マジック

「……? ちーちゃん?」



あたしは立ち上がると、観覧車を背にして


座ったままのユーリさんの前に立った。



「ん? どした?」

「…………っ」



本当に、どうしたのあたし。


さっきから、心臓がうるさくて、胸が痛くて


手で胸を押さえないと、体から飛び出てしまいそうだ。



「……ここが、変なんです」

「…………!」

「ユーリさんを見るだけで、ドキドキが止まりません」

「…………」



観覧車と、その周りにある建物の電飾と


あたしの後ろには、まるで宝石を散りばめたように美しい夜景が広がっているのに


あたしの影が重なったユーリさんの方が、もっと光り輝いて見える。



サイドを少し刈り上げて、無造作にちらした短い髪


………胸を押さえていたあたしの手が


無意識に、その毛先に触れた。

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