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恋してキスして抱きしめて

第7章 花火マジック

「……ちーちゃん、それはね。
花火マジックだよ」



ユーリさんはあたしを見上げて、静かに口を開いた。



「……花火マジック……?」

「そう。
大きくて華やかな花火を見たから、気持ちが盛り上がってるんだ」

「………!」

「つまり、錯覚。
雰囲気に流されてるだけだよ」



………そう言いながら


髪に触れたままのあたしの右手に、ユーリさんの左手がそっと触れる。


………まただ、どうしよう。


胸がきゅうって痛くなってきた。



「ユーリさんも、流されてますか……?」

「………かもね」



握られたあたしの手が、ユーリさんの唇に近付く。


体が熱くて、足元がふらふらしてしまう。



「………このまま
もうちょっとだけ、手を繋いだままでもいいですか?」

「あのね。
それだけじゃ、収まらないのよ」

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