仮彼氏。
第5章 泊まり。
「待ってて」
「え…」
私が首をかしげると、銀が部屋にあった電話を手に取った
プルルルル
「あぁ、高木か?
ホットミルク一つ頼む
…砂糖?じゃあ多めで」
何やら高木さんと会話しているみたいだ
「…分かった」
ガチャ
受話器を置いて、銀が小さく息を吐く
「…銀?」
「あぁ、今ホットミルク頼んどいたから」
「え…」
「寝れないんだろ?」
…なんか優しすぎて怖い。
「あ、ありがと…」
「…何だよその疑惑の目は」
「別に何でもないですっ!」
私がそう叫ぶと、銀が笑った
コンコン
「ホットミルクをお持ちしました」
あ、高木さんだ!
ガチャッ
「どうぞ」
「あぁ、さんきゅ」
銀が高木さんからカップの乗ったトレイを受け取ると、私のいるベッドに来た
「ん。」
「ありがとうございます…」
そっとカップに口をつけると、優しい甘さが口いっぱいに広がった