仮彼氏。
第1章 疲れた。
「ま、まだだめ!!」
「…はぁ」
あからさまに不機嫌な顔しやがって…!
「じ、じゃあここじゃなんだし…
うち来てゆっくり話そう…!!」
「は?」
「おい…!」
向島と優の声がハモる
「な、何…」
私変なこと言った?
「面倒くさ…」
「お前一人暮らしだろ!?
向島に襲われたらどーすんだよ!」
向島の声を遮って優が叫んだ
というか襲われるって…
「それはないでしょ」
「分かんねーだろーが」
「優には関係ない!
行こ、向島」
「ちょ…」
向島の手を引いて教室を出る
「…“関係ない”ってなんだよ」
優の声は聞こえないふりをして──