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仮彼氏。

第6章 結果。


「向島のこと?」

「……」

梨佳は大事な親友
隠し事なんて本当はしたくない…


「千晴、大丈夫だよ」

「梨佳…」

信じているし、口も固い



「私…

ほんとは銀と付き合ってない」


「…え!!?」

私の告白に驚く梨佳


「つ、付き合ってないってどういうこと?

だって付き合ってるって…」

パニックに陥っているのか、梨佳が目を泳がせた


「…銀にね、頼んだの」

「何を…?」

「表向きだけでいいから付き合ってほしいって」

あの日の事を思い出しながら言葉を続ける


「…私、告白されたり振ったりするのに疲れてた

だから仮の彼氏を作ろうと思って……」
「…どういうことだよ」

え……


「優!?」
「倉内!?」

帰ったんじゃなかったの!?


「…向島と付き合ってないってどういうことなんだよ」

「優、なんで……」

教室の入り口に立つ優は、眉間にしわを寄せている


「答えろよ…!」

「っ…」

怒鳴られて、肩がビクッと震えた
優、怒ってる……


「…倉内
あんただって千晴の悩みくらい分かってたでしょ?

第一あんたに千晴を怒鳴る資格なんてない」

梨佳…


「俺は…!

…千晴に嘘つかれたのが辛い」

「っ…!」

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