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仮彼氏。

第8章 気持ち。


「……で」

「で…?」

ビニール袋をとりあえずテーブルに置くと、梨佳が私を見つめた


「今日は色々話すことあるんだ」

「っ…」

一瞬、優との情事が頭をよぎる
そういえば、優さっきから一言も発してないような…


「…千晴」

「ぁ…」

真っ直ぐな、優の視線
その目には、後悔とか決意とか色んな感情が込められている気がする


「本当に申し訳ありませんでした!」

「!!?」

ほんと、物凄いスピードだった
気づいたら、優が土下座していた


「俺なりに色々考えたけどやっぱりどう考えても俺最低最悪だし…
第一千晴嫌がってんのに調子のって最後までやろうとしたし…
んでしかも中途半端な感じで一方的に立ち去っちゃったし…」

止まらない優の言葉
思い出しちゃうからもーやめてくれ…


「千晴」

「梨佳…?」

名前を呼ばれて梨佳を見ると、ちょっと困ったように笑っていた


「倉内から話聞いたとき、ふざけんなって思った」

「っ…」

やっぱり、私のこと……


「…倉内にも、自分にも」

「へっ…?」

自分……?


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