仮彼氏。
第8章 気持ち。
「千晴のこと守るって言ったのに…
結局何も出来なかった……」
「そんなことないっ…!」
思わず叫ぶと、梨佳が目を見開いた
「私はいつも、いーーーっつも梨佳に守られてる!!」
「千晴…」
梨佳がそばにいてくれるだけで、私は笑顔になれる
ちゃんと、伝えなきゃ──
「中三のとき…
正直、何度も死のうって思った
もういいやって思った
でも、いざカッター持ってみるとね?
どうしてか分かんないけど、梨佳の笑顔が浮かんできたの」
「っ…!」
涙を目の縁に溜めながら、必死で言葉を紡いでいく
…もう、あの頃の私じゃない
「それで、やっと分かった
優でも、銀でも、他の誰でもない
私にとって梨佳は……
世界一の大親友だって!!!」