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仮彼氏。

第9章 ピンチ。


「…ありがと」

校舎に向かってゆっくり歩いていると、黒田が小さく呟いた


「おう…じゃあ早退だな」

さっき早く帰りたいって言ってたし…
第一こんなボロボロの黒田に授業を受けさせるなんて考えられなかった


「倉内は…?」

不安げな目で俺を見つめる黒田
…やべ、可愛いとか思っちまった


「…一人で帰らせるわけねーだろ」

頭を撫でると、黒田が微かに笑った


「…シャツ、破かれちゃった」

「じゃあ、保健室で借りよ」

チャラ男への怒りが爆発しそうになりながら、必死で優しい声を出す
確か借りられるよな…


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