仮彼氏。
第10章 媚薬。
「銀、肩濡れてるよ…?」
傘の持ち手を銀の方に押すと、銀が溜め息を吐く
「これだと千晴が濡れるだろ?」
「でも…」
銀の傘だし。という前に、銀が私の肩をグイッと引き寄せた
「…これならいい?」
「っ…///」
耳元で囁かれ、堪らず顔が赤くなる
ち、近い…!//
「顔真っ赤」
「もー!//」
意地悪く笑う銀
なんでこんなにカッコいいの!?
「…あ、着いた」
「え」
いつの間にか、ドでかいお屋敷が目の前にあった
…って、ここ銀の家じゃん!
「じゃあ、ばいば…」
「んなわけねーだろ」
手を振ろうと上げた私の腕を掴み、銀がそのまま引っ張る
「え、えっ!?」
「お前の家の方が近いだろーが
…通りすぎた時点で察しろよ、久しぶりに二人っきりになりたいって」
「!!…//」
な、なんか強引だけど甘いっ//
このまま銀の家行くわけですか……