仮彼氏。
第10章 媚薬。
コンコン
「はい…?」
銀の部屋でぼーっとしていたら、突然ドアがノックされた
誰だろ…
「私私!開けていい?」
「あ、どうぞ…!」
佳奈さんか!
私私って、なんかオレオレ詐欺みたい…
ガチャ
「千晴ちゃん、甘いもの好き?」
「大好きです!」
高木さんと一緒に部屋に入ってきた佳奈さんは、花柄の可愛いトレーを持っていた
「さっき高木と一緒にチョコレートケーキ作ったの!
よかったらどうぞ♪」
「わぁっ…!美味しそう!!」
佳奈さんがテーブルにトレーを置くと、高木さんが手早く紅茶を注いでくれた
「じゃ、ごゆっくり♪」
「ありがとうございました!」
二人にお辞儀をして、ケーキと向き合う
「佳奈さんすごいなぁ…」
お店で売っていそうな可愛いケーキ
食べるのもったいない……
「…ま、食べるけど♪
いただきまーす!」
テンションMAXでケーキにフォークを刺した私に、、
『…佳奈さんも悪趣味ですね』
『高木だって楽しんでるくせに』
なんていう二人の会話は届かなかった…