仮彼氏。
第12章 センセイ。
「ちょ、銀…!?」
慌てる千晴を無視して、目を見開いた父さんに頭を下げる
「婚約者がいるのは分かってる
…けど、俺本当にこの人が好きなんだ
それにこの人の父さんはセンセイハウスの社長だし、家柄も問題なっ…」
「……頭を上げなさい」
重みのある、低い声
言われた通り頭を上げると、父さんは眉間にしわを寄せていた
「…お前はさっきから何をごちゃごちゃ言ってるんだ?」
「……」
怒ってる、よな…?
「本当に自分勝手な事を言ってると…」
「だから、何の話だ?」
「え、だから婚約を解消して…」
「もうとっくに解消してるぞ?」
「………は?」
とっくに、解消してる…!?