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「言ってなかったか？」

「聞いてねーよ！！」

あれ？とか言いながら、父さんが頭を掻く


「相手側の会社が経営破綻してな、自然に婚約も解消だ」

「……」

俺の千晴抜き生活はなんだったんだよ！

怒りと呆れで口を閉ざした俺を一瞥して、父さんは千晴に視線を向けた



「センセイハウスのお嬢さんということは…神谷千晴ちゃん、だね？

「は、はい…！」

「春樹と千香ちゃん…ご両親は元気？」

はるきとちかちゃん…？

父さんの言葉に首をかしげた俺の横で、千晴が笑顔で頷いた


「はい！今は一緒に暮らしていませんが、父も母も元気ですよ」

「そうか、それはよかった…」

何かを懐かしむように目を細める父さん

何かモヤモヤして、気づいたら口を開いていた



「…父さんと千晴のご両親って知り合いなのか？」