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仮彼氏。

第12章 センセイ。




「そりゃあ、親会社と子会社の関係なんだから…」
「そうじゃなくて!

友達とか…とにかくもっと深い関係があるのかって訊いてんだよ」

俺がそう言うと、父さんがいたずらっ子のような笑みを浮かべる


「実はな…

俺と千晴ちゃんのご両親、春樹と千香ちゃんは高校の同級生なんだ」

「え、そうなんですか!」

やっぱり…と思った俺とは逆に、千晴は驚いて目を見開いた


「ついでに言うとうちの家内もな」

父さんがチラッと見ると、母さんが少し恥ずかしそうに近づいてくる


「千晴ちゃん、本当に久しぶり!」

「え…」

「実はね?昔一度だけ会ってるのよ

千晴ちゃんと銀が一才のとき、千香ちゃんと見せ合いっこしたの♪」


棚からアルバムを取り出して、パラパラ捲る母さん

そこには確かに、俺の母さんと千晴の母さんらしき人が赤ちゃんを抱えて微笑んでいる写真があった


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