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仮彼氏。

第1章 疲れた。



「はぁ、はぁっ…」

うつ伏せのままベッドに倒れこむと、向島が私の頭を撫でた


「向島…?」

「…だから、銀だって」

「あ…」

忘れてた!!


「…まぁ二人の時はいいけど」

「でも…いざというときに名字で呼んじゃいそうだから、銀って呼ぶよ!」

「…了解」


会話が終わっても、銀は私の頭を撫でたり髪をいじったりするのをやめない

「…ごめん」

「え?」

いきなり謝られても…


「我慢できなくて、激しくヤりすぎた

…お前、処女だったのに」

「っ…!//」


過去形で言われ、本当にもう処女じゃなくなったんだと自覚する

というか…


「優しかった…」

「…?」

「銀は優しかった…!//

なんかもっと無理矢理ヤられるのかと思ってたのに全然違ったから逆に恥ずかしかった…!!//」

一気に言うと、銀が笑った

「何?そっちの方がよかった?」

「ちがっ…!//」

「冗談」

「っ…///」

「…じゃ、俺帰るわ」


銀の言葉に時計を見ると、19:00だった

「早くない…?」

「もっといてほしい?」

「なっ…!//」

「お前いちいち真に受けすぎ」

「っ…」


銀が意地悪く笑って、眼鏡を手に取った

「とりあえず、契約成立ということで」

「……」

そっか…
これでもう苦労しなくていいんだ…

「…銀」

「何…?」

眼鏡をかけて、服を整える銀を見つめる


「…これからよろしくっ//」

「……ん。」


せっかく羞恥を押し殺して言ったのに、反応が薄すぎて拍子抜けした

本当に人格変わったのかな…?


「…じゃあな」

「う、うん」


小さく手を振りながら、意外に広い銀の背中を見つめていた


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