仮彼氏。
第3章 テスト。
―放課後―
「…千晴」
「っ銀…!」
銀から話しかけてきたのは初めてで、思わず声が裏返った
「…今日、家来る?」
「え」
家って…
「銀の…!?」
「そうだけど…」
「いいの!!?」
「別に…」
ぽかーんと口を開ける私
怪訝な顔をする銀
バシッ
「痛っ!」
「…お前ら早く帰れ
今日職員会議なんだよ」
澤村に頭を叩かれた
結構痛いんですけど…
「何で銀は叩かないの!!」
「いや、向島が馬鹿になったら困るだろ」
「私だって困ります!」
反論する私に澤村が溜め息を吐く
「悪かったって、な?
いいから早く下校しろ」
「もー、分かりましたよ」
「…千晴、行くぞ」
いつの間に眼鏡を外した銀が私の手を取った
「先生さよならっ!」
「おー………って!!!
お前ら付き合ってんの!!?」
目を見開いた先生を無視して、教室を後にした