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仮彼氏。

第3章 テスト。


「…ここ」

「……え!?」

銀が指さす先にあったのは、絵に描いたような大豪邸だった


「すごっ!!!」

「……」

はしゃぐ私を無視して銀が大きな門の鍵を開けた



ギィッ


銀が押すと、重い音を響かせながら門が開く


「…これ、庭!!?」

様々な植物が並ぶ玄関までの空間
スケールが大きすぎて開いた口が塞がらない


「…庭は他にある
うるせーからいちいちはしゃぐな」

「はーい…」

大人しく銀についていくと、やっと玄関にたどり着いた



ガチャッ


「あがって」

「お、お邪魔しますっ…!」

とんでもなく広い玄関に恐る恐る足を踏み入れる


「あは、あははは…」

入ってすぐ目に入ったのは舞台のセットみたいな螺旋階段

もう、笑うしかないよ…


「…勉強会どこでやる?」

「へ…?」

部屋でやるもんじゃないの?


「今日は俺一人だからどこでもいいけど」

「へ、部屋じゃないの…?」

私がそう言うと、銀が溜め息を吐いた


「男子の部屋にそんな簡単に入るか普通?

もうちょっと危機感持てよ」

「いや、危機感と言われても…」

既に家に二人っきりですし……


「…まぁいいか、来て」

「うん…」



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