手探りな絶望
第9章 衝撃
翌日
定時で
仕事を終えた俺は
柴田さんと
飲みに出かけた
冬実からのメールのあと
柴田さんに連絡をして
今日
話を聞いて欲しいって
頼んだからだ
「ま、だいたい分かってるさ
女のことだろ?」
生ビールが運ばれ
乾杯をし
ひとくち飲んだところで
柴田さんが
話をはじめた
「まぁ・・」
柴田さんは
いつものように
口は悪いが
優しく目じりを下げて
笑った
「今日の試験は
散々だったもんなぁ
よっぽど気になることが
あるんだろ?
なんでも
聞いてやるから
あんま無理すんな」
「・・はい」
何から話していいか
分かんなかったけど
とりあえず
彼女の母親が
入院していて
お金が必要で・・
その金を
用意できない彼女のかわりに
俺が貸すことにしたんだと
簡単に説明した
柴田さんは
「ふ~ん・・」
と言っただけで
ビールを飲みながら
煙草をふかせ
時々枝豆を食べながら
しばらく
何かを考えたあと
こんな事を言った
「で?
お前
何悩んでんだ?」
・・・え?