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手探りな絶望

第9章 衝撃

しばらく
冬実の帰りを待っていたけど

帰ってくる訳がないよな…



そう思い
俺は車のエンジンをかけ
冬実が立ち寄りそうな場所を
走り回った


いつものスーパー
いつものコンビニ

グラタンの店

2人で何度か行った
カフェ

冬実が美味しいと言った
パン屋


冬実が
好きだと言った公園


冬実が
よく行く本屋



冬実…



冬実…




冬実との
付き合いは
あまりにも短くて

冬実を探したくても
何も知らない自分に
腹が立った


なんで
知らねーんだよっ


母親の入院先すら
知らねぇじゃねぇか…。


情けない
自分に脱力して


俺は

仕方なく

自分のアパートへ
戻ることにした



相変わらず
冬実からの
連絡はない



アパートへ
到着するころ


俺からは
もう


溜息しか

出てこなくなっていた

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