手探りな絶望
第13章 手紙
まだ小学生の私は
その手紙に
何が書かれてあったのか
教えてもらえずにいた
ただ
周平さんが
お姉ちゃんの死に
関係があるということは
知らされていた
「お母さん」
「ん?」
「織田周平って人
お姉ちゃんに
何をしたの?
あの手紙に・・・
何が書いてあったの?」
その手紙は
お姉ちゃんのベッドの
裏側に隠されていた
「何をしたのかは・・
わからないの
でもね
織田周平くんが
いなければ
千夏は死んだり
していないのかもしれない
冬実はもう
大人だものね
聞いてもらおうかな・・
お姉ちゃんのこと」
「うん
・・教えて
聞きたいの、全部」
知りたいの
どんなことでもいい
お姉ちゃんのことも
周平さんのことも。