手探りな絶望
第4章 野球
「ゴロゴロしてます(笑)」
「ほんと?」
「ほんとです
恥ずかしいですけど」
「恥ずかしくなんてないよ
俺もいつもは
そんなだもん(笑)」
あ〜……
誘えねぇ…
「ポジション…」
「ん?」
「藤沢さん
ポジションどこですか?」
ちょっと
ワクワクしたような
瞳で
彼女が俺を見つめた
嘘じゃ、ねーよな?
これ、夢じゃねーよな?
ポジション
聞いてくれるとか
俺
最高にうれしいんだけど!!!
けど
冷静に
「ショート」
ほんとは
どこだと思う?
そう、聞きたかった
でも
さすがに
女みたいな質問は
できなかったんだ
「すごい!
藤沢さん
運動神経いいんですね!
あ、ずっと野球やってたんだから
運動できるの
当たり前ですね
すみません(笑)」
「いや、あやまんなくても(笑)
ちょっと
うれしかったよ」
「え?」
「女の子と
野球の話出来て
なんかうれしいし
ポジション褒められると
やっぱ
うれしいし
あはは(笑)」