
春色、恋心。
第1章 恋心と彼氏
半年前―――
「さーや♪」
「わっ!けいちゃん!」
高校三年生の沙耶に抱きついてきたのは、同じクラスで彼氏の圭祐だ。
「どしたの…ンッ…///」
いきなりキスをしてくる圭祐。こんなことは日常茶飯だ。
家でも街中でも隙あらばいつでもスキンシップを怠らない。
「ンンッ…け…ぃちゃん//」
苦しくなって圭祐の胸を押すと、圭祐は最後にリップ音を鳴らしながら唇を離した。
「はぁ…///」
肩で息をする沙耶を圭祐はニコニコしながら抱きしめた。
半年前、沙耶と圭祐は学校内で有名なバカップルだった。
