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叶わぬ恋でも君のために。

第9章 止められない想い

結局、反対方向の家まで送ってもらうことになった。


私、何やってんだろ…。



タクシーの後ろの座席で再び旅行のことを思い出しながら、いつの間にか…私は眠ってしまった。




そして---私の記憶は途切れた。



だから、


気付くことができなかったんだ…。



秀ちゃんが私の頭を自分の右肩の上に乗せて
寄り掛からせてくれたこと。


秀ちゃんのジャケットの裾を握ったままだった私の手をジャケットから離して


秀ちゃんの手を握らせてくれたこと。



私が寝言で



「秀ちゃん…好き…。」



って言ってしまったこと。






君が---



「ごめん…ごめんね…。」って



何度も優しく髪を撫でてくれていたことも。


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