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叶わぬ恋でも君のために。

第2章 仕事に生きる。

「誰?!」


「あ、初めまして生田と申します。驚かせてごめんなさい。社長から聞いてますよね?」


「聞いてるけど…今日だったっけ?」


綺麗な肌で、人形が喋っているみたいだ…。


「はい…よろしくお願いします。」



「僕、眠たいんだよね。」


「はい?」


「明日からにしてくれない?父さんにはちゃんと来てくれたって言っておくからさ。」


この男…いいのは顔だけ?


私の真面目精神に火がついた。


「ちょっと秀司さん?」


「僕の名前知っててくれてるんだあ。
嬉しいなー。君は生田、何ちゃん?」


私今、あなたに説教するところなんですけど



「生田、眞子です。って…
名前なんかどうでもっ」


「よろしくね?眞子ちゃん。」


白くて綺麗な手を差し出された。


明日からにしてって言ったりよろしくって言ったり…先行きは不安だらけだけど


「よろしくお願いします。」


そう言って手を出したら



ぎゅ、っと握られた。





「小さくて、綺麗な手だね。」


マジマジと見られて恥ずかしくなった私は
思わず手を引いた。



だけど、


あまりにも強く握られていて手は離れずに秀司さんを引き寄せてしまった。




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