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叶わぬ恋でも君のために。

第11章 君のこと。

「元々彩は…俺の初恋で…


俺は彩以外に、誰かを好きになったことなんか無かった…。」





“幼なじみ、初恋。

彩以外に好きになったことなんか無かった。”



もう---


心が…折れてしまいそうだよ…。



「だけど、拓実が…子どもの頃俺に言ったんだ。


“僕は彩のことが好きだから、
お兄ちゃん…彩のこと取らないでね”って…。


だから俺はあの街を離れる時も彩に気持ちを伝えることはしなかった。


だけど…俺と彩は同い年で、同窓会で再会した時、彩に言われたんだ。


“ずっと秀ちゃんが好きだった”って…。」




“秀ちゃん。”


彩さんがそう呼んでたから
“秀ちゃんって呼んでね”って私に言ったの?




「拓実にはその時彼女が居たし
俺は…大丈夫だと思って彩と付き合いだした。


拓実には…内緒で…。」



「…どうして…内緒にしてたの?」




「彩と拓実を会わせて、また拓実が好きにならないとは限らない、そう思ったんだ。


だけど、何も知らない彩は…拓実に会いたがった…。


断り切れなくなった俺は…三人で会うことにした。


最初、拓実に彩とのことを話した時、
“兄貴、良かったね”って…言ってくれてたんだ…。


それなのに…拓実と彩は二人で俺に黙って会うようになっていった…。」

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