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叶わぬ恋でも君のために。

第12章 大好きだった彼のこと。

その時---


他の社員と飲んでいたはずの智哉がひょこっと顔を出した。


「どうしたの?なまたまごちゃん♪」


!!!


聞いてたの?



「なまたまごちゃん…可愛いニックネームだね?」


目の前の彼女をチラリとも見ずに私に話し掛けてくる智哉。


彼女は余りにもイケメンな智哉を見て赤面しながら



“ちょっと、この人紹介してよ。”


私に耳打ちをした。



だから私は…



「同じ会社の…」


同期、ってそれくらいは言ってもいいかなって思っていると





“ペシッ”




!!!



「い、痛っ!」



智哉におでこを叩かれた音だった。


「ちょっと、何してんのよ?」


「それ、俺のセリフだし。」


「はあ?」



さっぱり意味が分からない。



「どんだけ真面目だよ…。」


「…?」






“眞子ちゃんが苦手な奴は俺も苦手。”





そう私の耳元で囁いた。





そして---



「勝手に他人に俺のこと紹介すんな。

行くぞ。」



そう言って私の肩をぐいっと引き寄せて
その場から離してくれたんだ。

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