
叶わぬ恋でも君のために。
第13章 叶わなかった恋。
“俺が、眞子を想う気持ち…
いつも忘れないで。”
智哉も同じようなこと言ってたっけ…。
私は忘れたことなんか無かったのに…。
一瞬だけ智哉を思い出してしまっていると
「眞子ちゃんっ!」
「…?」
「よそ見しないで、俺だけを見てて…。」
動きを止めて切なそうに私を見つめた。
「見てる…秀ちゃんだけ、見てるよ…。」
不安なのは
秀ちゃんも同じなのかもしれない。
秀ちゃんにも聞きたいことは沢山あるけれど
“幸せにする。”って言ってくれた今…
秀ちゃんから話して来ることがあれば
その時に聞けばいい、そう思った。
君と私の、
二つの叶わなかった恋はきっと…
いつか…笑って話せる思い出になる。
私達の二度目の恋は
きっと叶うと信じたい---。
