テキストサイズ

叶わぬ恋でも君のために。

第15章 別れの時

side★秀司★



あの日---


いつもなら眞子ちゃんが部屋を訪れる時間に
珍しくサヤさんが来て、


眞子ちゃんから、風邪を引いてしばらく休むと連絡が入ったと聞いたんだ。


俺は会いに行きたかったけど、親父は急なことにも関わらず、違う人間を呼び付けていた。


夜は親父の接待に付き合わされ数日忙しく
とても眞子ちゃんに会いに行く時間なんて無かった。



そして---



眞子ちゃんが休んで四日目の夜。



親父から大事な話があると
書斎に呼び出された。




「秀司…予定が変わってしまったが、

来週、お前の婚約者に会ってもらう。」




「…来週?…親父、俺…。」



「西野彩さんだ。」




そう言って親父は写真を俺に差し出した。








そこには




俺の知ってる



俺の大好きだった





彩が



綺麗に写っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ