テキストサイズ

叶わぬ恋でも君のために。

第21章 自分のために。

勉強、勉強の毎日。





正直…拓実が羨ましかった。
拓実だけは自由に好きなことができたから。



そんな俺を癒してくれたのが、彩だった。



彩は天真爛漫で、いかにも女の子って感じで
周りの奴等もみんな彩のことが好きだった。


だけど、彩には女友達が居なかった…。


他の女の子は彩のこと、八方美人とか男好きとか噂してたけど、俺はそんなこと気にしなかった。


俺の前では少なくともいい子だったし…
優しかったから。


皆が彩のことを誤解してる…僻んでいるのかなって、俺はそう思っていた。



そんなある日…急に拓実に言われた一言。


“僕は彩が好き”


“彩を取らないでね”


“お兄ちゃんにはお父さんとサヤさんが居るでしょ?”





拓実は…


俺が後継ぎに選ばれて手を掛けてもらってることで寂しい思いをしていたのかもしれない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ