叶わぬ恋でも君のために。
第4章 君と二人で朝食を
「大丈夫だって。僕からサヤさんに頼んでおくから。」
「サヤ…さん?」
「うん、あのお手伝いさんのことだよ。無愛想だけど根は優しいから安心して?」
あのおばさま、やっぱりお手伝いさんなんだ…。
「じゃあ、決定!」
「ちょっと待った!」
そういう強引なところ、お父さんにそっくり。
「なんで?何が駄目なの?」
「だって…何かご馳走になりに来てるみたいで…。」
「眞子ちゃんが一緒に朝食食べてくれたら
きっと夜まで勉強頑張れるだろうな…。」
「…。」
「ほら、今だってやる気がみなぎってきた。
よし、頑張るぞー!!」
「…。」
「真面目に頑張るからさ…僕と一緒に食べて?
いつも一人で寂しいんだ…。
ね?」
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「…うん…わかった…。」
不覚にも上目遣いにドキリとしてしまった。
“いつも一人で寂しいんだ。”
その言葉が秀ちゃんの本心のような気がして
断ることは出来なかった。