叶わぬ恋でも君のために。
第5章 好きになってはいけない人
私は言われるがままに浴衣を引っ張り出して着てみた。
淡い紫で大人っぽいデザイン。
彼と別れてから着てなかったな…。
それでも今思うことは
秀ちゃんに少しでも可愛く見られたい…。
無意識にそう思っていた。
髪をまとめてアップにして浴衣と同系色の髪飾りも付けた。
そして駅に付くと既に秀ちゃんは駅前にあるベンチに腰を掛けていた。
でもまだ私には気づかなくて…。
“僕も着て行くね”と言っていた通り、秀ちゃんも浴衣を着ていた。
周りの女の子達がみんな秀ちゃんを見ている。
秀ちゃんは黙っていれば色気が半端無い。
だけど、そんなことよりも気になることがある。
秀ちゃんは…スマホをいじっていた。
初めて見る姿だった。
今まで毎日一緒に居て一度も見たこと無かったのに。
誰とやり取りしてるんだろ…。
私、連絡先とか聞かれたこと無いし…
秀ちゃんにとって私はただの
“父親の会社の社員の一人”でしか無いんだ。
当たり前のことなのに
何故だか胸がズキズキと痛み出した。
淡い紫で大人っぽいデザイン。
彼と別れてから着てなかったな…。
それでも今思うことは
秀ちゃんに少しでも可愛く見られたい…。
無意識にそう思っていた。
髪をまとめてアップにして浴衣と同系色の髪飾りも付けた。
そして駅に付くと既に秀ちゃんは駅前にあるベンチに腰を掛けていた。
でもまだ私には気づかなくて…。
“僕も着て行くね”と言っていた通り、秀ちゃんも浴衣を着ていた。
周りの女の子達がみんな秀ちゃんを見ている。
秀ちゃんは黙っていれば色気が半端無い。
だけど、そんなことよりも気になることがある。
秀ちゃんは…スマホをいじっていた。
初めて見る姿だった。
今まで毎日一緒に居て一度も見たこと無かったのに。
誰とやり取りしてるんだろ…。
私、連絡先とか聞かれたこと無いし…
秀ちゃんにとって私はただの
“父親の会社の社員の一人”でしか無いんだ。
当たり前のことなのに
何故だか胸がズキズキと痛み出した。