叶わぬ恋でも君のために。
第5章 好きになってはいけない人
「大丈夫…だから…。」
そう言ってもまだ私から離れないその腕。
そのうえ…
「眞子ちゃん…抱き心地いいね♪」
そう言って離れ際にきゅっ、と抱き締めて行った。
「/////」
い、今の“きゅっ”は…必要無いでしょう?
会場にたどり着く前に蒸発してしまいそうだ。
私をこれ以上振り回さないで…。
君には婚約者がいるし…
好きになってはいけない人。
会場に着いて人込みの中、秀ちゃんはまた私の手を引いて歩き出した。
屋台でたこ焼きや、フランクフルト、ビールを買って適当な場所に座った。
「カップル多いね?」
「そうだね。でも眞子ちゃんと僕もカップルみたいなもんでしょ?」
「…。」
イチイチ心臓に悪いセリフ、止めてくれないかな…。