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叶わぬ恋でも君のために。

第2章 仕事に生きる。

「はい、柳田でございます。」


「私、生田眞子と申します。社長から…」

「話は伺っておりますのでどうぞ。」


私の挨拶を遮ったその声は、気のせいか…少し冷たく感じた。


そして…門が開いた。


一人の60歳くらいの女性がこちらに向かって来るのが見えた。


「さ、中へどうぞ。」

「失礼します。」


女性は…笑っていない。


私が来ることに反対してるのかな?
そう思いながら女性の後ろをついて行った。


長い廊下を歩いていると一つの扉が開いた。


その部屋から出てきて目が合った爽やかな好青年は身長180㎝はあるだろう。


まさか……この人?


「あれ?親父が言ってた人?」

「はい、お坊っちゃま。」



「初めまして、確か…生田さんだっけ?」

「はい、生田と申します。」


「大変だね、兄貴の世話なんて。」


---兄貴?


「大変だろうけど頑張って?」

「はい…。」


いかにも仕事ができそうな男性だな…。
スーツ姿がよく似合う。


去っていくその人の後ろ姿を見つめていると


「拓実様は秀司様の弟でございます。」

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