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叶わぬ恋でも君のために。

第8章 君の嘘

ご飯は既に残っていないのに生卵をごくっと一気に飲み干した。


「わー、生卵好きだけど飲んだの初めてだったな…。」


秀ちゃんはそう言いながら顔をしかめる。



「秀ちゃん、大丈夫?」


「大丈夫さ♪」


いつもの君のスマイルに戻った。



「残したままだったら絶対眞子ちゃんが、サヤさんに気、遣うでしょ?」


私の…ために?


「秀ちゃん、ありがとう。」


「いいよ、後でお礼はしてもらうから。」


「え?」


秀ちゃんの目を見ても、さっぱり何を考えているかわからない。



「さ、食器をとっとと下げに来てもらって邪魔が入らないようにしないとね?」


君はそう言うと、サヤさんに電話を掛けて
食器を下げさせた。




サヤさんが部屋から出ると、



“カチャ”



「よしっ、準備完了♪」



君はいつもは掛けないドアの鍵を
掛けたのだった。




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