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叶わぬ恋でも君のために。

第8章 君の嘘

秀ちゃんの大好きだった彼女…。



「それ以来、兄貴は俺と関わることを拒否している。

もう、三年も経つんだけどね…。」



それだけ彼女を愛していたってこと。




「拓実君、今もその彼女と?」


「いや…。」



え?



「結局、兄貴とのこともあって、

ギクシャクして、彩(あや)には、振られたんだ…。」



彩さん、って言うんだ…。



「彩、本当は…兄貴と別れてからもずっと、
兄貴のことが好きだったんじゃないかな…。」


「どうして、そう思うの?」



「勘だよ、勘。」


寂しく笑う拓実君に



「何だか…難しいね…。」



そう言うことで精一杯だった。



「兄貴もさ…。」


「ん?」



「兄貴もまだ…彩(あや)のこと好きなんじゃないかと思って…。」



え…。



「だから俺、前に言ったよね?

兄貴に入れ込まないようにね、って…。


何の効力も無い言葉だったけど…。」

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