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鍵のない手錠

第2章 日常


結局、2人は俺にラーメンを買って
そのまま講義だからと席を外す

なんとなくさみしいけど
学年ちげーし当たり前か・・・

そう思いながら1人でラーメンを食べてると
俺の横の椅子が動いた

「よっ、・・・俺にも、ちょーだい」
「あ、1位。なんか、・・やつれた?」
「・・・んなことない。っーか、1位って呼ぶな。これもういらねーの?」
「全部食っていいよ。純平さん、なんか痩せた?」
「瑛うるせぇ。瑛だって、モデルもやってっから、細いだろ。」

そういいながら
突然現れた1位・・・じゃなくて
横山純平が俺の残りの半分のラーメンを食べる

この人すげー色気あるよな

颯介さんの聡明で正統派な感じじゃなくて
弘大のワイルド感とかでもなくて

なんかもっと違う色気
華奢だし俺みてーな女顔だし

でも、俺と違う

腰のくねり?
手先の使い方?

なんだろ、なんか全てが眩しい


「瑛、最近は元気なった?」

そう言って、俺の頭を撫でる

俺が入学してすぐ
一日中屋上のベンチでぼーっとしてたら
声をかけてくれた

キラキラ眩しくて
気づけばベラベラと俺の本音を話していた

綺麗な人だと思った

けど、純平さんは
俺はすごく汚れてるし生きてる実感なんてない
俺も両親いねーんだ


そう俺に言った


そこから、なんとなく
たまに見かけると話しかけてきてくれる


「純平さんは?」
「どうかな。・・・ほら、呼び出し。俺に自由なんてないよ」
「電話、誰?」
「秘密」

そう言いながらなっている携帯を持って
席を外した



俺に自由なんかないよ


か。




俺はどうなんだろう


いつまでも
何を立ち止まってんだろーか。



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