テキストサイズ

アイドルは幼なじみ

第4章 真実

あの日

本当は

みなもを

傷つけたのは

俺だった。

みなもが“強姦”されたって聞いた時から俺の中に黒いどろどろとした何かが、うごめいていた。
あの日みなもを無理矢理、俺のものにした。
頭の中で繰り返される“強姦された”という言葉に…俺は支配されてた。

俺も同じ事をしてた。卑猥な言葉をみなもに言ったり、言わせたり、俺しか俺の体以外、求められないように繰り返した愛撫や……俺は、最低な鬼畜野郎に成り下がっていた。



そんな俺が、テレビに出て、へらへら笑って歌やドラマ、映画にまで…………。



みなも、こんな俺、許してくれ…るかな?


半年後


俺は、思い切ってみなもに会いに行った。

陵「みなも、あの時はごめん。」
みなも「……。」
陵「俺はみなもを…。」
小さな女の子が駆け寄ってきてみなもに
女の子「ママ…このお兄ちゃんだあれ?」
陵「みなもが…ママ?」
みなも「彩っていうの。」
女の子「ばあばだぁ!」
陵「えっ?」
俺は後ろを振り向くと
陵の母「彩ちゃんこんにちは(笑)」
彩「こんにちゅにゃ(笑)」
陵「母さんなんで?」
陵の母「私の孫だもの!当たり前でしょ。」
みなも「彩って“彩る”って書くの。」
陵「俺の子?」
みなも「違うよ。私の子よ。」
陵の母「彩ちゃん!ママちょっとお話するから、あっちのお部屋に行こうね。」
2人が部屋を出て行った後、向かい同士で座った俺達は、近くて遠い距離だった。
口火(くちび)を切ったのは俺だった。
陵「みなも…あの時はごめん…ごめんなさい。俺は、みなもが“強姦された”って聞いた時から、おかしくなってた。
俺自身、気づいてなかった事が、その時に気づいた…けど俺は、その言葉に支配され続けていたんだ。
でも、この三年間…みなもを傷つけた罪とみなもが俺の為についてくれた嘘を最近わかって…みなもホントにごめん。」
俺は、何度も謝った。みなもは下を向いたまま、ポロポロ涙を流していた。
俺は、みなもを抱きしめてた。
陵「みなも、傷つけてごめん。俺ずっと捜してた。みなも!」
みなも「陵…くん…私も…嘘…ついて…ごめんなさい…。」
陵「みなもは悪くない。嘘をつかせたのは俺だから!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ