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アイドルは幼なじみ

第2章 苦しみ

陵「ただいま。」
母親「おかえりなさい。みなもちゃんどうだった?」
陵「しばらく入院だと思う。」
母親「えっ、そんなにひどいの?あっ陵牙!マネージャーさん来てるわよ。」
陵「えっ!?」
マネージャー(以下マネ)「女の子と救急車に乗ったって情報が入ったから…その子ってお前をスカウトした時に一緒にいた子か?」
陵「そうです。」
マネ「あの子に関わっ…。」
陵「幼なじみなんです。」
マネ「幼なじみ!?」
コーヒーを出しながら
母親「いつも陵牙が、お世話になって!」
マネ「幼なじみって…あの時、陵牙なにも言わなかったじゃないか!!」
陵「言おうとしたら、俺を遮(さえぎ)ってみなもに何か言ってたじゃないですか!」
母親「そう言えば、みなもちゃんのご両親は?」
陵「来たよ。」
母親「挨拶はしたの?」
陵「したよ。一日に二回も…まさかこんな形で会うなんて思ってなかったけど…。」
マネ「一日に二回!?」
陵「みなもの両親テレビ関係の仕事で…。」
マネ「えっ!?」
陵「早川 保(はやかわ たもつ)プロデューサーと早川 ななみさんの娘ですよ。」
マネ「早川さんの!?」
母親「あら知らなかったんですか?」
しばらくするとマネージャーは青い顔して帰って行った。
俺はベットに横たわって、みなもの事を思った。

いつも自分の事より周りの人間の事ばかり考えて行動してるみなも。
いつも俺が悩んでいると真っ先に気づいてくれるみなも。

あの医者が言った言葉が俺の心に深く傷を作るなんて、この時は思わなかった。
それがみなもに対しての愛情の深さだなんて…。


あの医者は『暴力だけではなく強姦された形跡があります。』


俺は思ったより早く目が覚め顔を洗いに行く。
身支度を整え出かける。
朝早く撮影し、午後から学校に登校した。
なんとなく、ただ…なんとなくだけど、みなもがいないのは違った風景だった。

学校帰り病院に寄って部屋に入ると
みなも「陵くん来ると思ったよ(笑)」
陵「これ!」
みなも「わぁ、ありがとう。」
陵「みなもこれ好きだろう?」
みなも「ありがとう!これ以上、太ったら困るけど今日だけは食べちゃお(笑)」
陵「みなものどこが太ってんだよ(笑)」
昨日、みなもを抱き上げた時の軽さは尋常じゃなかった事を思い出した。
みなも「退院したらダイエットしなきゃ(笑)」

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