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アクマにアソコを貸しました

第6章 ロスタイム上等じゃないですか

「梓穏…あぁ神楽坂か?
なななんで、あんな女に執着してんだ」

「あんな女…?」

耳元を掠めた呟きの後、覗き込んできた蘇芳真赭の瞳は、オレンジ色に燃えていた。

「あんな女、か。手を出そうとした挙げ句、あんな女呼ばわり…ね。
どうする、京紫?」

なに、俺マズった!?

「どうするも何も、これから手を出さないと誓うならどうでもよかろう」

パッと京紫(と思われる)の顔をみた。龍でも飲み込んだかのような渋面だが、実はいい奴なんだな!


「ふーん、いいのか。じゃあ戻る?」

「だな。あの阿呆女がまた他の男にちょっかい出されてても困るしな」

美形の双子は俺に興味を無くしたように、連れ立ってトイレを出て行こうとした。

俺がホッとして息を吐いたところで、双子はピタリと足を止めた。

「あ。やっぱ置いてこ」
「だな。最近喚(よ)んでないから張りきるだろうな」

同時に振り向いた同じ顔。

「「可愛がってやれよ」」

それだけ言って再び背を向けて去って行ってしまった。

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