アクマにアソコを貸しました
第6章 ロスタイム上等じゃないですか
「なーにしてんの?」
ハッとしたのは俺だけではなく、鏡越しの男――蘇芳もそうだったようで、漸く体が動けるようになった。
誰か知らんが、助かったぁ!
そう思って勢いよく声の主を振り向いた。
ありがとう!
そこにいたのは腕を組んで入り口に寄りかかる
――もう一人の蘇芳。
ヒッと息を飲み、怖いくらい整った同じ顔をキョロキョロと見回す。
ここで問題。無表情な男と軽く微笑んだ男、きみならどちらを突破するか?
答えはこっちだ!
「お、俺もう行くわ。どうぞごゆ」
ごゆっくり、という俺の気遣い溢れる言葉は目の前を阻む腕に遮られてしまった。
「きみこそごゆっくり。せっかく俺が約束を果たしにきたのに、釣れないじゃないか」
約束?なんの…?見上げた蘇芳の笑顔が怖くなり回れ右をすると
ダンッ
こっちも腕に遮られた。
気づけば腕の檻のなか…ヤベェ、生まれて初めての壁ドンなんだけど!
「再生したら俺の名前を教える、って約束したからね」
え?いつ?
ずい、と顔を近づけてきた。まさかキスをされるのか!?と思った時、顔は横に逸れて耳元に息がかかる。
「俺の名前は蘇芳真赭。二度と京紫と間違えちゃダメだよ。
もっとダメなのは、梓穏に手を出す、こ・と」
ハッとしたのは俺だけではなく、鏡越しの男――蘇芳もそうだったようで、漸く体が動けるようになった。
誰か知らんが、助かったぁ!
そう思って勢いよく声の主を振り向いた。
ありがとう!
そこにいたのは腕を組んで入り口に寄りかかる
――もう一人の蘇芳。
ヒッと息を飲み、怖いくらい整った同じ顔をキョロキョロと見回す。
ここで問題。無表情な男と軽く微笑んだ男、きみならどちらを突破するか?
答えはこっちだ!
「お、俺もう行くわ。どうぞごゆ」
ごゆっくり、という俺の気遣い溢れる言葉は目の前を阻む腕に遮られてしまった。
「きみこそごゆっくり。せっかく俺が約束を果たしにきたのに、釣れないじゃないか」
約束?なんの…?見上げた蘇芳の笑顔が怖くなり回れ右をすると
ダンッ
こっちも腕に遮られた。
気づけば腕の檻のなか…ヤベェ、生まれて初めての壁ドンなんだけど!
「再生したら俺の名前を教える、って約束したからね」
え?いつ?
ずい、と顔を近づけてきた。まさかキスをされるのか!?と思った時、顔は横に逸れて耳元に息がかかる。
「俺の名前は蘇芳真赭。二度と京紫と間違えちゃダメだよ。
もっとダメなのは、梓穏に手を出す、こ・と」