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アクマにアソコを貸しました

第7章 その位、ちょっとヤンチャなだけじゃないですか

一瞬、気を失っていたのかも知れない。

目を開けると自分とは別の荒い息が隣から聞こえる。

「マソォ」

呼び掛けた自分の声が少し嗄れていた。たった今までそれだけ声をあげていたのかと思うと羞恥で頬が赤くなる。

コホンと小さく咳払いすると、マソォの長い睫毛がふるふると持ち上がった。

ゆっくりと目を開けてこちらを向いたマソォは、潤んだ瞳から凄絶な色気を発しながらも今までで一番幸福そうな顔をしていた。

その顔を見たら今までよりも強い愛しさが込み上げてきて、胸が痛かった。

引き寄せられるように手を伸ばすと、マソォの頬に触れる前に彼の手に絡めとられてしまう。

「マソォ…」

恋人繋ぎに絡められた手が彼の頬にあてられた。

頬に触れた指先から幸福が流れ込んでくる。

「梓穏…」

指先と言わずにマソォが全身で抱きしめてくれる。

「だぁっ!!」

思わぬ叫び声に目を開けると、バツの悪そうな顔をしたマソォが体を離した。

「精…拭いてからにするわ…」


精がベットリとついた自分のお腹を見下ろし、がた落ちのテンションでティッシュに手を伸ばしたマソォを見て思わず吹き出したのだった。

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