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アクマにアソコを貸しました

第3章 念のため聞いただけじゃないですか

胸ぐらをつかんでそう叫びたいのは山々山々山々だったが、ケィシの顔をみて思い止まった。どうやらダイエットを勧められたと思って不機嫌なようだ。

不機嫌なケィシにそんな攻撃をすれば、影にとっ捕まってぐちゃぐちゃベショベショ陰湿に焦らされてヤラれまくる。
既に何度も経験済みのパターンだった。


「な…何よ心配しただけじゃない」

そう言うとケィシは表情を和らげた。

「そうか…それは、すまなかったな。
俺は本来ここに存在する者ではない。
だから、ここで食事的意味合いのものを摂取する必要も、意味もないんだ。

もっとも――

ここに妖魔や妖虫、魔草があれば――喰らうけどな」


…存在は致しません。むしろ存在してても教えないで。しかも‘食う’じゃなくて‘喰らう’
頭からそのままバリバリいっちゃう感じですか?


想像だけでかなりげんなりしたが、素朴な疑問をぶつけてみた。

「じゃあコーヒーは?いつもブラックコーヒーだけは飲んでるよね」


「そうだな。これは魔界の水に近い色と味がするからな。もっともニオイはもっと臭いがな」

「へぇ…そうなんだ。水が黒くて苦いのね」

「そうだ。向こうで水といえば魔界の中心にある湖の水を使うんだがな、そこには妖虫から悪魔まで死体が捨てられ放題だからな。ダシがでてるんだろう」

「…………」

この瞬間、二度とコーヒーが飲めなくなりました。

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