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アクマにアソコを貸しました

第4章 恋ができないじゃないですか

「そうじゃない、梓穏には何も起きない。

影響があるのは弟だ。俺以外の精が混じれば、術は失敗だ。
もう再生は出来なくなる。
そして、術のやり直しは出来ない――魂は一つだからな」


死なないと聞いてホッとしたが、納得いかない。

「じゃあこないだお腹が破けて死ぬって言ってたのは、嘘?」


ケィシはさっきまでの必死さは薄れ、いつも通りの偉そうな表情に戻った。

「嘘ではない。この術の失敗において、重要なのは順番だ。

処女以外に珠を入れた時には入れられた者に、術を施した後なら珠自身に。

だから、お前には今しばらく男との関わりを我慢してもらう」


ケィシにとって大事なのは私の体ではなく、弟。わかってたのに、全身の力が抜けていく気がした。

胸の奥から堪えきれない感情がむくむくと湧いて、爆発した。


「なにそれ、私は恋も出来ないじゃない!勝手に人の体に訳わかんないもの植え付けて、男の人と関わりすら持つなって何!?」

ケィシは急に怒りだした私に驚いていたが、何の感情も見えない表情で反論した。


「お前を好きになったやつが、本当にお前を好きかはわからない。珠の匂いにつられているだけでないという判断は難しいだろう?」

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