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アクマにアソコを貸しました

第5章 近づいてるんじゃないですか

「そういえばあの夜、夢を見たよ」

「…巨乳になるとか?」

大きさが全てじゃないんだよ!

「違うの!ケィシが現れて、ケィシが更に現れて、ケィシが二人になる夢」

「………それは性欲が強い象徴だな」

なんですと!?
「ホント!?恥ずかしいっ」

「嘘だ」

こっちを見る事さえせずに新聞を読みながら、しれっとコーヒーを飲むケィシ。


………こいつ、どーしてやろうかぁぁ!!


「でも、それは本当だ」


それ、ってどれのこと?

首を傾げた私にチラリと視線を投げたケィシがバサバサと新聞を畳んだ。

「俺が増えた件だ。梓穏が見たのは俺と真赭(まそお)だ」


「えぇっ!気付かずに既に出産済み!?」


思わずお腹をなで回すとケィシは生ぬるい目で私を見た。

「出産じゃない。出産と違い、胎内で大きく育てるものではないからな」


はぁ、なるほど…


「そっくりだったよねー悪魔って兄弟は皆そっくりなの?」


気を取り直してそう問えば、ケィシは思い出すように視線を斜め上にやって、ゆっくりと話しだした。


「俺と真赭は双子だからな。魔界では双子はとても珍しいんだ。


――胎内でも殺し合うからな」

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