素直じゃない契約
第8章 荒れる台風
「どどど……どうしよう」
『えっとー…あっあった!!ろうそくとライターだ』
理生くんは手探りで探してくれて、
火を灯してくれた。
「ありがとう…、こんだけろうそくあればいっか」
『そうだね部屋まで送るよ』
ふと理生くんの顔を見ると頬に汚れがついていた。
「理生くん汚れが…」
ハンカチなんて持っていなかったので
手で拭ってあげようとした。
『ちょ、ねえさん大丈夫だから』
理生くんが自分で拭くと汚れがもっとついた。
「いやいや、汚くなっちゃってるから。あたし左手ならキレイだし」